地域防災計画書

地域防災計画-原子力災害対策編-(令和元年12月修正) [1468KB pdfファイル] 

地域防災計画修正の概要 [378KB pdfファイル] 

 

町民の安心・安全確保のために

 横浜町は、六ヶ所村の日本原燃㈱の原子燃料サイクル施設、東通 村の東北電力㈱東通原子力発電所に隣接しております。

 とりわけ東通原子力発電所からは半径5~30kmの範囲内に位置し、「緊急防護措置を準備する区域(UPZ)」に該当することから、災害対策基本法および原子力災害対策指針に基づき、「横浜町地域防災計画」-原子力災害対策編-を策定して、原子力関連施設からの放射性物質又は放射線が異常な水準で事業所外へ放出されることによる原子力災害の発生および拡大を防止し、原子力災害の復旧を図るために必要な対策を国、県、立地村、事業者、防災関係機関がとるべき措置を定め、原子力災害から地域住民の生命、身体及び財産を保護することとしています。

 原子力発電所、原子燃料サイクル施設は、通常運転時はもちろんのこと、地震、津波、火災、放射性物質漏洩などの万一の事故や故障を想定しても、施設区域の安心・安全確保のために、「隣接市町村住民の安全確保等に関する協定」を締結して、情報公開、環境放射線などの測定結果報告、異常時の連絡、防災訓練の実施や原子力災害発生時の風評被害措置などについて定めています。 

 

環境モニタリング

 県、東北電力(株)、日本原燃(株)では、原子力関連施設が安瀬に運転することを確認するために、放出される放射線、放射性物質を管理する環境モニタリング施設 があります。
 横浜町内では、役場前、道の駅交差点(旭町町営住宅向)、旧まきば保育所に設置されてあり、1年365日休むことなく安全確認がされており、役場一階ホールモニターでも測定データがご覧いただけます。
また、これらの結果は、県が設置した「環境放射線等監視評価会議」で審議、評価され県広報紙「モニタリングつうしんあおもり」や新聞などで定期的に公表しています。
 

 

 原子力災害発生時の心得

  通常、原子力発電所や再処理工場の運転により発生する放射性物質は、多くの防護壁やシステムによって封じ込められています。しかし、万一事故が起こり、これらが正常に機能しなければ、放射性物質(気体や粒子状)は大気から放出されてしまい、周辺住民が放射性物質にさらされる危険性があります。このような事態を「原子力緊急事態」と言われ、その被害を「原子力災害」と言います。もしも、原子力発電所等が通常よりも高い放射線(5μSv/h以上:通常横浜町では20nSv/h位)が検出されたときは、原子力発電所等は、すぐに国、県、隣接市町村に発生情報を通報することが義務づけられています。放射線は、人間の五感で感じることができないため、自ら被害の程度を判断することができませんから、国、県、町等からの正確な情報に基づき、沈着、冷静、確実な行動してください。
  
1.テレビやラジオのスイッチを入れ、正確な情報をつかむ。広報車、防災行政無線などの情報に注意する。
 ・外出は控え、指示があるまで自宅等で待機しましょう 
 ・デマなどに惑わされないように注意しましょう
 ・ 緊急でない電話や携帯電話の通話は、控えてください

2.“屋内退避”を指示されたら自宅などの家屋内に入り、窓、ドアを閉めてください。

3.“屋内退避又は避難”を指示されたら、落ち着いて行動してください。
   避難指示が出された際の一時集合場所は、下記のとおりです。各地区から歩いていける場所となりますから、徒歩又は自家用車て集合してください。
    

    ①浜田       浜田生活改善センター

    ②有畑       有畑町内会館

    ③鶏沢       鶏沢老人憩いの家

    ④大豆田      大豆田コミュニティセンター和の里

    ⑤桧木       桧木生活改善センター

    ⑥塚名平、椛名木、旭町、新町、舘町、浜町、大町     横浜小学校※

    ⑦塚名平、椛名木、旭町、新町、舘町、浜町、大町     横浜中学校※

    ⑧新丁、緑町    トレーニングセンター・洗心閣※

    ⑨向平、百目木、吹越、中吹越、雲雀平          町民交流センター※

    ⑩松栄、向沢    松栄婦人ホーム

    ⑪幸町、豊栄平、ちどり町、善知鳥            南地区老人憩いの家

    ⑫烏帽子平     烏帽子平自然の家  

    ※⑥~⑨は、「自家用車の一時集合場所」を兼ねる。 

 

外部リンク (一財)日本原子力文化財団「こんな時どうする?原子力防災シミュレーション」

      こんな時どうする?原子力防災シミュレーション←クリック
 

原子力防災Q&A

Q1.安全な設計、維持管理されている原子力施設なのに、どうして大きな事故を想定した原子力災害対策が必要なの?

 原子力施設において、周辺の住民に影響を及ぼすような大きな事故が起こることは極めて少ないです。 しかし、万が一、原子力災害が発生したとき、周辺の住民への影響を最小限にとどめるために、住民広報・環境放射線の測定・屋内退避・避難等などの対策を日ごろから念には念をいれて備えておこう、というのが原子力防災の考えです。 

 

Q2.原子力災害では、どのような災害を想定していますか?

 原子力災害は、「原子力施設からの放射性物質の大量放出」と「施設からの直接の放射線漏れ」が原因になると考えられています。
 原子炉を運転すると、燃料中に放射性物質がたまります。災害発生時には、この燃料中にたまった放射性物質が、何重もの壁をくぐり抜けて、周囲環境に漏れ出てくるものと想定しています。燃料から発生しやすい放射性物質としては、放射性希ガスと放射性ヨウ素があげられます。ウラン燃料や使用済燃料を取り扱っている施設では、ウランや放射性セシウムなどがあげられます。 

 

Q3.原子力災害対策のために、町ではどんな準備をしていますか? 

 横浜町では、「横浜町地域防災計画(原子力災害対策編)」を策定し、関係部署の役役割、災害対策用器材の準備、防災の教育訓練、災害対策本部の立上、住民広報、退避・避難の方法などを決め、円滑に業務が進むよう備えています。
 防災訓練をオフサイトセンターを拠点として県、立地自治体、事業者、防災関係機関と連携をとりながら行っています。また、放射線測定器、防護衣、防護マスクなどの防災資機材などを備えています。放射性ヨウ素による放射線被ばくを抑えるための「安定ヨウ素剤」は、横浜町役場に保管されています。

 

Q4.屋内に退避、避難することにより、なぜ放射線被ばくを少なくできるのですか? 

 原子力施設から、万一、放射性物質や放射線が大量放出・漏洩するような事故があったとき、放射線を一定量以上被ばくするおそれのある場合には屋内退避、避難の措置がとられます。最近の住宅は密閉性が高いことから、「屋内に退避」して、窓や扉を閉じ、換気扇を止めれば、屋外の放射性汚染した空気の進入が防げます。
 また、コンクリートは放射線を遮へいする効果が高いことから、「コンクリート造りの建物に退避」すれば、放射性雲からの放射線被ばくも少なくできます。
 さらに、放出された放射性物質から大きな影響をうける地域の人は、原子力施設から遠く離れ、放射性物質や放射線の到達しない地域に「避難」することによって、放射線の影響が避けられます。

 

 

対策

コンクリート屋内退避

屋内退避

避  難

方法

近くのコンクリート造りの建屋に入り、窓・扉等を閉じて、屋外の汚染空気の侵入を防ぐ。

屋内に入り、窓・扉等閉じて屋外の汚染空気の侵入を防ぐ。

集合場所に集まり、バスに乗って放射性雲及び漏洩放射線の到達しない地域の避難所に移動する。

効果

コンクリートの天井・壁により放射線が遮へいされる。
屋外の空気中放射性物質の吸入が防げる。

屋外の空気中放射性物質の吸入が防げる。

放射性雲及び漏洩放射線による被ばくが防げる。

特徴

比較的、簡便・迅速に実施できる。
短時間、一時的な放射性物質の大量放出のときに効果的である。

希ガス以外の放射性物質放出のときに効果的である。
コンクリート屋内退避、避難措置への準備段階としても適用される。

大量、長期間にわたる放射性物質・放射線の放出・漏洩のときに効果が大きい。実施に伴い混乱等の生じるおそれがある。

対策のとられる射線の量(注)

全身

050ミリシーベルト以上
甲状腺

500ミリシーベルト以上

全身

010~050ミリシーベルト
甲状腺
100~500ミリシーベルト

全身

050ミリシーベルト以上
甲状腺

500ミリシーベルト以上

(注)シーベルト:放射線の量の単位。
対策のとられる値は、被ばくした人に放射線障害が現れないよう余裕をもって定められています。なお人は年間2.4ミリシーベルトの自然放射線を受けています
 

 

Q5.万が一原子力災害が発生した時に周囲の環境に漏れ出た放射性物質は、どのような経路をたどって、人に影響を与えるのですか?

 施設の排気筒から、空気中に漏れ出た放射性希ガスや放射性ヨウ素などは、煙のように風下方向に薄まりながらひろがります。そのため、風下にいる人は、全身に放射性希ガスからの放射線を受けます(外部被ばく)。また、人が空気中の放射性ヨウ素を吸い込んだときや、放射性ヨウ素など多く含む水、野菜を摂ったときには、体内で放射線の影響を受けます(内部被ばく)。体内に入ったヨウ素は甲状腺に集まりやすいことから、甲状腺に多くの放射線を受けます。

 

【用語豆知識】
◆放射性希ガス
原子炉が運転されると燃料のウランは核分裂します。核分裂によって、ウランは2つの物質に分リプトンの放射性希ガスのほかに、放射性のヨウ素・セシウム・ストロンチウムなどがあります。

◆放射性物質のひろがり
排気筒から空気中に放出された放射性物質は、煙のように風下方向に拡散していきます。この拡散した煙状の流れを「放射性雲」または「放射性プルーム」といいます。放射性雲の濃度は、施設から遠く離れるほど、上空または地表面に行くほど、施設の風下の方角から角度がずれるほど薄くなります。
 

Q6.安定ヨウ素剤を服用すると、なぜ放射線の被ばくが抑えられるのか?

 ヨウ素は体内に入ると甲状腺に集まりやすい性質があり、体内に吸入したヨウ素の1~3割が甲状腺に集まります。放射性ヨウ素を体内に取り込んだときも、同様に甲状腺に集まり、甲状腺が放射線を多く受けます。そのため、あらかじめ体内を安定ヨウ素で満たしておけば、たとえ放射性ヨウ素を体内に取り込んでも、放射性ヨウ素は安定ヨウ素で薄められるため、甲状腺に集まる放射性ヨウ素の量が少なくなり、甲状腺への被ばくが抑えられることになります。
 放射性ヨウ素が体内に入る前に安定ヨウ素剤を飲んでおけば被ばくを抑える効果が高いのですが、たとえ放射性ヨウ素を取り込んだ後でも数時間以内に安定ヨウ素剤を飲めば、同様の効果が得られます。なお、放射性ヨウ素以外の放射性物質の取り込みには効果がありません。

 横浜町の住民対応分は、横浜町役場に配備され、原子炉施設から放射性ヨウ素が大量に放出され、100ミリシーベルト以上被ばくするおそれのあるときには、県の災害対策本部が安定ヨウ素剤服用の指示を出します。安定ヨウ素剤服用の指示が出されるときには、同時にコンクリート屋内退避または避難の指示も出されます。したがって、退避所または一時集合場所に集まった人に安定ヨウ素剤を配れば該当者に渡すことができます。
 安定ヨウ素剤の服用量は年齢によって異なります。また、副作用の出る人もいます。一時集合場所で問診を受ければ、この間違いが防げます。このことからも一時集合場所などで配るのが有効です。
  

安定ヨウ素剤の服用量 ヨウ化カリウム量
新生児 16.3ミリグラム
1ヶ月~3歳 32.5ミリグラム
3歳~13歳 50ミリグラム
13歳~40歳 100ミリグラム
40歳以上 服用の要なし

注)放射性物質でないヨウ素を「安定ヨウ素」と言います。